電子書籍販売サイトに求める3+1つの条件

これはちょっとひどいなぁと思ったのが以下のニュース。

サービス終了で読めなくなる電子書籍は、そのサービスのコンテンツに過ぎないという事を忘れていませんか?本屋で紙の本を買っていたのに、本屋がつぶれてしまったら持っていた本が読めなくなるのは考えられないですよね。

電子書籍のメリット

電子書籍の紙の本に対するメリットを簡単に整理しておきます。もっとあるかも。

  1. かさばらず、置き場所に困らない
  2. どこでも、どのデバイスでも読める
  3. 文字の大きさやなどを変えられ、アクセシビリティが高い
  4. 映像・音声などのリッチコンテンツを付加できる
  5. 内容の検索ができる
  6. 引用や利用のために内容のコピーができる
  7. 定期購読が簡単になる

これらが紙の本のメリットを失うことなく加わるのが良い電子書籍だと思います。

電子書籍販売サイトに求める条件

先のエルパカBOOKSの二の舞にならないように、電子書籍販売サイトに求めたいことはたった3つです。追加でわがままが1つだけあります。

1. デバイスの形態やOSを問わず読めること

「専用のアプリでないと見れません。対応OSはxxのみです。」では対応デバイスを持っていない人は電子化のメリットを享受できません。追加で買う必要があるとしても、専用品は低価格であるべきです。各社から出ている電子ペーパー系のデバイスはよくできていると思います。汎用性のあるWindows/Androidタブレットも入手しやすい値段になってきました。

2. 仕様がオープンである、または汎用性のあるデータであること

PDFはAdobe ReaderなどのPDFリーダーがある環境では大抵読むことができます。ePub等も閲覧する環境が整ってきました。この条件であればマルチデバイスの条件も同時にクリアできるでしょう。

これはOpenOffice.orgプロジェクトが謳ってきたMicrosoft Officeに対する優位性と似ています。異なる点はサービス提供者がマイクロソフトのように長期的にソフトウェアの提供を継続できる体力があるか否かです。

3. DRMフリーであること

上記2つに加えて大事なことがもう1つ。電子書籍販売サイトに縛られず、閲覧デバイスが変わってもデータがあれば半永久的に読める事です。もちろんコピーして他人に渡したりしてはだめなので、何らかの仕組みは必要です。PDFに購入者のメールアドレスを入れ、セキュリティ設定をしてあるサイトは結構ありますが、利用者が不便を強いられない、バランスの良い方法だと思います。

+1. 紙よりも安いこと

紙の本から電子書籍への移行で抑えられるコストと増えるコストがあると思います。両方を買えるサイトでは電子書籍のほうが安くなっていることが多いようです。ただし極端に安くする必要はなく、電子書籍としての適正価格になればよいと思います。まとめ買いの割引や期間限定のセールとかあるとうれしいですね。

これらの条件に合うサイト

わりと贅沢を言っていると思うのですが、これらの条件を満たすサイトは少なからずあります。最近使ったところをちょっとだけご紹介します。(最新の情報は変わっている可能性がありますので、参考程度で)

  • 達人出版会
    • PDFなどです
    • ページ下部にメールアドレスが入ります
    • 内容のコピーができます
  • オーム社eStore
    • PDFです
    • ページ下部にメールアドレスが入ります
    • 内容のコピーができます
  • Impress Japan
    • PDFです
    • ページ下部にメールアドレスが入る場合があります(最近買ったものは入ってなかった)
    • 内容のコピーはできません
  • O'Reilly Japan
    • PDF、ePub、mobi形式です
    • 内容のコピーができます
  • O'Reilly Media
    • PDF、ePub、mobi形式などです
      • サイト上で直接DropboxやGoogle Drive、Kindleへの転送ができるのが便利です
    • DRMフリーを大々的に謳い、電子版50%OFFとかのセールを頻繁にやっています
    • 電子版を持っている人に紙の本を40%OFFで提供もしています
  • Amazon Kindle
    • Kindleアプリからのみとなっているので次第点ですが、アプリの対応デバイスの多さは良いと思います(Amazon.co.jpのがPCで読めればなぁ...
    • [追記]Kndle for PCが日本で出てないため、1番目の条件も満たさないとして灰色にしました。

私はこれらのサイトで買ってPDFデータをダウンロード、いったんNASへ置いておき、各種デバイスへコピーしています。不自由なく楽しめているので、広義の電子書籍サービスでは自ら進んで買うことはありません。

電子書籍は先に挙げたようなメリットがたくさんあります。電子書籍業界が音楽業界と同じような話にならないことを願います。

このエントリーをはてなブックマークに追加

コメントする