小ネタ:SDカードのUHSスピードクラスの識別

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4月26日にソニーのカメラのファームウェアアップデートが来ました。

アップデートの内容は、従来のSDXCカードに加え、SDHCカードにXAVC S動画が記録できるようになりましたとの事で、32GB以下の手ごろな価格のカードでもビットレートの高いXAVC Sで動画記録ができるようになりました。4Kもいけますよ。

今までは、α77 IIやRX10 IIでXAVC Sで動画を撮ろうとしても64GB以上のSDXCカード必須、さらに4Kを100Mbpsで撮る場合にはUスピードクラス3(U3)が必須でした。

UHSスピードクラス1
U1(10MB/s)

UHSスピードクラス3
U3(30MB/s)
SDHC
(4GB~32GB)
*XAVC S HD,
*XAVC S 4K(60Mbpsまで)
*XAVC S HD,
*XAVC S 4K
SDXC
(64GB~)
XAVC S HD,
XAVC S 4K(60Mbpsまで)

XAVC S HD,
XAVC S
4K

XAVC S動画モードと対応SDカード表(*付き赤文字がアップデートで新たに対応)

100Mbpsでは単純計算で12.5MB/s必要なのでU1では不足します。そのため、いくら実測値が十分に速くてもU3ではないカードでXAVC S 4K 100Mbpsを選択すると「現在の設定では記録できませんUHS-I U3規格に対応したメモリーカードに変更するか、記録方式を変更してください」「この設定を行うにはUHS-I U3規格に対応したメモリーカードを使用してください」と表示されて記録できません。

20160429_3.jpg

つまり、カメラがU1のカードとU3のカードを識別しているはず。どうやっているのかが気になったのでちょっと調べてみました。

まずは仕様を確認するためにSDアソシエーションのWebサイトを見てみます。

Physical Layer Simplified Specificationを確認すると、SDカードの情報が格納されているSD Statusという512ビットのデータにUHS_SPEED_GRADEという4ビットのフィールドがあります。

20160429_1.png
SD Specifications Part 1 Physical Layer Simplified Specification Version 4.10より

ここの値によって挿入されているSDカードの最低限の書き込み速度、つまりUHSスピードクラスの情報をカメラが確認できるわけですね。ちなみに公開されいている使用は簡易版とされているため、U3に相当する30MB/sの値の定義がありませんでした。

20160429_2.png
SD Specifications Part 1 Physical Layer Simplified Specification Version 4.10より

という事で、仕様を斜め読みしたらあっさり情報が見つけられたのでスッキリ:-)

ちなみにU3のカードは選択肢が少なく、東芝かサンディスクくらいしかないです。おすすめは価格が手頃な東芝EXCERIAの銀色です。RX10 IIで使っています。α77 IIは写真用として書き込み速度の速いサンディスクExtreme Proにしています。

ただし、100Mbpsで撮ると30分で20GBもの巨大なデータになるので、128GB以上のカードがほしくなる…。

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